許し

今暮らす家には少し複雑な過去がある。
僕らの前に住んでいた夫婦が家を荒らして突然いなくなってしまい、ここで生まれ育った家族の方々に大きな悲しみを負わせてしまったそう。

今日、その家族の方々が僕らのもとに、太郎布の地に30年ぶりに東京からはるばる訪ねてきてくれた。

暮らしの一部を垣間見、終始、懐かしさと驚きのなかにいた。
別れ際、「この家に住んでこうやって家を生かしてくれて本当にありがとう」と涙を滲ませながら頂いた言葉。

前の事情を身をもって体感している僕らにとってその言葉とそこから発せられる気持ちが、どれだけの重みのあるもので、救われることか。

この家で暮らしていくことへの許しを、3年目にしてようやく得られたように感じる。この地で広がる人生において、とても意味深い1日だった。

みみをすます

奥会津金山町の山のてっぺんにある宿とcafe

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