散る

先日、環と些細な喧嘩をしている時に、過去にないほどの怒りが突如として出てきて、思い切り大噴火した。
マグマが派手にぶち上がっているなかで、自分でも何でこんな状態になっているのか全く分からなかった。
環もドラマを見てるみたいだったそう。
怒りというものに満たされるなかで、怒りのなかでは心から何も生まれないし、生み出さないなと感じた。
それまで輝きを放っていたものが一瞬にして消え去り、黒いものに覆われているのが良くわかった。
こんなに心地よくない世界はこれまでも含めてもうじゅうぶんに堪能できた。
もう、これから先、怒りはいらないなと思った。
怒りというものが、さよならを言いに、最後の別れの挨拶に来たのかもしれない。
そして僕の中から怒りというものが消え去って行くことを確信した夜だった。

太郎布の銀杏の葉も今日1日であっという間に散っていった。
春から夏の間に生まれた葉が散っていく。
その最後にとびきりの輝きを放ちながら。
散ったことで、次の新しい命が生まれてくる。


外に出て月蝕の瞬間を見た。
雲が流れてきては隠れ、再び現れる、その度に少しずつ欠けてゆく月。
その不思議な感覚に満ちる夜空。
ここを境に散っていくものが沢山ありそうな予感がします。

みみをすます

奥会津金山町の山のてっぺんにある宿とcafe

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