遊睦民祭
友人から蔵王で大きな音楽のお祭りがあって一緒に遊ばないかと誘われた夏のある日。
僕は音楽にあまり興味も関心もなく、せっかく頂いたお誘いにも乗り気が全くなかった。
そんな僕でも新しい世界への興味からか、月日が経つうちに行ってみようという気が芽生えた。
そして当日、環とたくやと最近仲良くしているくみちゃんの4人でレンタカーを借り、福島と山形をまたがる大峠を越え山形蔵王へと向かっていった。
友達複数人で1つの車に乗り、ドライブをするのは学生時代以来のこと。
懐かしく新鮮な空気の中、パン屋やコンビニにふらふら寄り道をし笑いながら車は走っていく。
いつしか捨ててしまい忘れていた、微かな感覚が蘇る。いつから僕はこんなにも厳しく凝り固まった世界の中にいってしまったんだろうと思う。もっともっと世界を笑い楽しいはずなのに。僕の中で何かが壊れ、ふっと肩の力が抜けていった。
お祭りの会場に到着。
日本各地から面白そうな人たちが集い、すでに熱気を帯びていた。
ステージにから放たれる魂の叫び、その想いに心に火を焚き付けられた。
もっともっと本気で生きよう!と。
出店ではみんなが自分を思い切り表現している。
爽快で自由で気持ち良い空間。
キャンプ場にテントを張り、遊び踊り尽くした3日間。
僕の知らないところで、こんなにも熱い人達が沢山いる。
このお祭りで得たものは大きく、帰ってきた今なおそれは大きくなっている。
もしあの時のお誘いに乗っていなかったら普段の日常が続いていたことだろう。
殻を破る、そこに世界の広がりを見た。
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