喜びの波紋

この夏のある日、大の家に遊びに行くと、家の台所の壁が無くなっていた。
その家は長年空き家のまま放置されていて、台所回りの木材がカビと白蟻でボロボロになっていたので、それを一から直していた。

来る日も来る日も、電動工具に金づちの音が集落に鳴り響いた。
その音にその全てがのっていた。
見ていると、それはそれは楽しそうで、出てくる笑顔がとてつもなく眩しい。

ある日の夕暮れ、痛んだ柱を取り替えている時にちょうどクロネコヤマトさんの配達員のおじさんが来て、「これは楽しいな!!」と、楽しい楽しいを何回も連発し、いつもは荷物を置いたら直ぐに帰ってしまうのに、この時はそれをも忘れて、しばらくこの空間に酔いしれていた。

そんな改装も、今日、柱が建ち、梁が渡された。
感動の瞬間を味わえることが出来た。

大が心の底から楽しみ、
その喜びが集落に漂う。
喜びの波紋がまわりへとどんどん広がっていく。

みみをすます

奥会津金山町の山のてっぺんにある宿

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